東亜の修了生が入る会である、「東亜和裁教師会」のイベントの報告です。
今年の夏には金沢支部で半巾帯作成のイベントがありました!
「着物ってどう洗っているの?」
着物を洗うには大きく分けて2通りの洗い方があります。洗い張りと丸洗いです。
【洗い張り】
着物を解いて水洗いをするのでほとんどの汚れが落ちますが洗いに時間が掛かり着物も仕立て直さなければいけないというデメリットがあります。
【丸洗い】
着物を解くことなく洗え、短い時間で落とす事が出来ますが石油系ドライ液で洗うため落ちる汚れと落ち無い汚れがあります。丸洗いで落とす事が出来る汚れはファンデーション、口紅、皮脂、ソース等の油汚れです。今回は丸洗いの前に行う前処理(汚れが強い部分を先に落としておく)の仕方を勉強しました。
※雨などの水ジミ、汗、泥ハネ等の水溶性の汚れは素人が手を出すと着物が駄目になりますので絶対に手を出さないでください。血液も水溶性の汚れです。タンパク質が含まれているのでより高度な技術が必要になります。プロの方に任せましょう。
早速始めましょう。まず、必要なものを準備しましょう。
1、汚れても良いタオル
2、ガーゼ等のやわらかい布
3、薬剤を入れる容器
4、肌の弱い人はビニール手袋
次に使用する薬品についてです。
しみ抜きといえば【ベンジン】とよく聞きます。汚れを落とす力が強いのですが輪ジミになりやすいので初心者には扱いにくい薬剤です。今回は【リグロイン】を使用します。輪ジミになりにくく初心者でも比較的扱いやすい薬品です。
これから汚れを落としていきたいものがこちら!
半衿にファンデーションや皮脂汚れがついてしまった長襦袢です。着用後から時間が経過しています。
そして、こちらが袖口に皮脂汚れがついてしまった着物です。汚れが付いてから2年くらい経過しています。
半衿・残布に化粧汚れやソース・しょうゆなどの食事の際に付く汚れを付けたものも用意しました。
リグロインをガーゼに付けて汚れのついている部分を一方方向に何回か擦ります。汚れた部分の生地がしっかり濡れる位たっぷりリグロインを含ませるのがポイントです。
※ しみ抜きを行う際は換気を必ず行ってください ※
薬剤を乾かしてみると...
汚れている部分が薄くなっています!!
着物は......汚れが消えきれいになりました!!
そして、残布や半衿につけた汚れは、全体に薄くなっています!しかし、ソースがなかなかの頑固汚れです。化粧品もウォータープルーフの物は頑固です。
それでも、さすが油汚れに強いリグロイン!オリーブオイルは落ちています!
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