絽喪服 part1

華ちゃんの研修は絽喪服に進みました。
喪服は、不祝儀の正礼装のお着物です。
既婚者(ミセス)も未婚者(ミス)も着用します。
家紋は染め抜き日向5つ紋が入っています。
喪服は 『黒色』というイメージですよね。
でも黒色になったのはそれほど昔からのことではないようです。
かつては、喪服の色は『白色』でした。
最近放送された、朝の連続ドラマ「朝が来た」で、お母さんが亡くなった時 真っ白な着物や帯を着ていました。
明治に入って欧米の礼服の影響を受け、日本でも黒が喪の色となったそうです。
今回勉強するのは 夏用の喪服です。
絽の生地は緯糸数本おきに隙間を作りながら織ってあるので、
生地が透けて見えます。
絽の長襦袢でも勉強したけど、この横の絽の目で裾や揚げ、衿先を仕上げなくてはいけないのは大変なんですよね。
検反をします。
その前に、「華ちゃん、家紋があっているかの確認をしますよ!」
家紋とは、家を識別するための紋章。
日本には2万程度の家紋が存在するそうです。
家紋が注文通りに入っているか?確認するのも大切な確認作業です。
家紋帳を開いてみると たくさんの家紋が並んでいます。
『五三の桐』はこれで大丈夫かな??
『五七の桐』・『乱れ桐』・『桐菱』・・・
この紋帳は「目次が い・ろ・は・に・・・・・」の順に並んでいるんだよ。
「あいうえお・・」順の方がわかりやすいんだけど・・・
『和』な感じだね。
「家紋の向きや位置が正しく入っているかもチェック!!します」
喪服には家紋が5個入ります。
 背中に『背紋』が1つ                            
 胸元に『抱紋(だきもん)』が2つ
 後袖に『袖紋』が2つ  
この五つの紋には意味があるそうです。
背紋は・・・・・ご先祖を表し、
抱紋は・・・・・両親を表し、
袖紋は・・・・・兄弟・姉妹・親戚を表しているそうです。
この五つ紋は自分の血筋を表し、五つ紋の付いた黒紋付を着用するということは「一族の代表」という意味を持つんですって。
そして5つ紋のついた『黒紋付』は昔から『お守り着物』と言われているそうです。たくさんのご先祖さまが家紋となって守ってくれているんでしょうね。
着物の良いお話も勉強できて、次は検反・検尺です。 

「4年後、和裁の匠になる」過去ログ置き場

東亜和裁(www.toawasai.jp)で2015年から2022年に連載されていた過去のブログを保管しています。

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