先日、全国和裁着装団体連合会が主催する「創作着物リメイクコンクール」が開催され、10月18日に東京しごとセンターで展示と表彰式が行われました。
「お手元の着物を利用してはっとするような作品を!!」
「大切な着物を処分することなく、日頃から温めていたデザインをぜひ形に!!」
というコンクールの趣旨のもと、全国から多くの和裁技能士の皆さんが参加されました。
当日、会場は撮影できなくて、素敵な素敵な作品を紹介できないのが残念。様々な技を使った着物がたくさん展示されていました。
たとえば...
「切り付け」・・ 小さなパッチワークのようにして着物に張り付ける、縫いつけること。
「切り継け」・・小さな部分というより着物全体をパッチワークのようにして新しい着物にリフォームすること。今回着物の部で最優秀賞に輝いた振袖は黒色の無地と真っ赤な無地着物が大胆に組み合わされていました。
「切り嵌め」・・布地の一部を切り取った後、別の布をその形に切り取って嵌め込むこと。展示されていた着物の裏側が見えたのですがきれいに縫い代が始末されていて、すごい技でした (ノ゚ο゚)ノ オオオオォォォォォォ-
今回は東亜和裁の大先輩が縫われた作品をご紹介しますね。
こちらは 帯の部門で★★優秀賞に輝いた★★名古屋帯。
「格子の間から紅葉の模様が見えている様子を表現しました。
万筋(まんすじ)の細~~い線をまっすぐに縫うのは大変でした。」と大先輩。
こちらは 市松に模様を配した名古屋帯。色々な生地が使われているのにまとまっていてすごいです。
先生が会場に着てらした 羽織物。
袖巾は狭く、平袖(袖口の下が縫われていないもの)なので、着物の袖も見えるんですって。防寒用のコートには早い秋口や春先には最適ですね。
頂きものの紫色の着物を利用して帯とおそろいの羽織物を作られたそうです。
「古いものなので少し色が変わってしまった部分もあるんですよ」
と先生はおっしゃいましたが、全然気にならなかったです。さすが上手に目立たなくなるよう処理されていらっしました。
なんとこちらはリバーシブルになっていましたよ。羽織紐をかける部分にも工夫が施されていて感心しきりでした。
こちらのストールも素敵でしょ?
着物を仕立てた時に余った生地を2枚使ってストールを仕立てたそうです。
裏地もまたおしゃれ!!長襦袢の余り布を利用されてます。
まっすぐ継いでしまうと、「布が足りなくて足したんだな?」という感じになるかもしれないけれど、カーブして継いであると布が短いっていうことがわからないのです。
こちらは衿のデザインも生地も素敵なコートです。
黒色の紗の生地に アンティークの絽着物がくけられていました。扇の模様に合わせて絽の着物がカットされていて、紗の生地にくけられているのです。
縫い代の始末がとても綺麗でこれは高度な技術と丁寧な作業が必要なのが分かりました。着物の模様が上の無地の紗から透けていて、生地と生地のふれあうモアレ(動きに伴って木目や波丈模様に流動する効果が見えること)が楽しめそうです。
こんな感じで余り布が素敵な帯やコートに 変身するアイデアを見せてもらえて、本当に勉強になりました。
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